カンベル「後書き」
もう戻る事の無い町での再会。
時下は違う連れ添いと誓い合い。
大概、晩成。雹降る大安。
最遠、死後へ残る墨、音盤。
寒暖差は体、白奪う温。
無い物等、愛情も空っぽ。
感情論上「気持ちが如何?」。
大切にした事、個々の事情、環境、生まれ育ちの土地や家庭、目や肌の色に国籍、年齢、性別、価値観、教育、文化、経過に結果、理由付けや意見、大事な女、連れ等に仕事、子供達へ希望、此処無くなる物。
消さない為の音も独り言。
心犯す病い。他意は疑問。
*
己れが詠う意味合い「死んだら如何?」。
「遠くになる程、何故側に思う?」。
大事な奴等、然るべき同縁。
束の譜面、宛名は無い便箋、封する封筒。
己れが居た証拠、大層な文学紙紡いだ多奏。
嵩張る数、孤独揺らす結晶。
針刺す墨、墨汁を磨り清書。
泣き噦る歩道。手拭い拭く頬。
話すだけ余計、黙る程に添う。
皐月、如月に死を記載する詩。
銀杏、四季に嵩む日に沁む芯。
同心、袂。懐仕舞う恩。
手に有る物、大切な人々。
殊に後へと残す跡が意思。
此処へと証。不図、独り淋しい。
もう先には死なないでくれ。
どうせ戻らない。何処置き忘れ。
突然訪れる死ぬ事、同等。
道中異なれど同じ冪等。
線香と骨、黙祷、永遠。
心を便箋、後に引く別れ。
己れも何れは死ぬ。
死んだ後、身内への思ひ鳴り響く音。
**
己れが生きる意味合い、御前等の愛。
遠に生き急ぐ歩の側に思う。
大事な奴等、他に何にも無い。
己れだけでは意味無い、命の詩。
己れと生きる連れ合い「如何在りたい?」。
何も話さないで見せる情愛。
言葉じゃ無い形で恩返し。
幸を願う末永く続く詩。
最層、最愛の思ひも重い。
添う確かめ合い、そう大差も無い。
罪安、妻を連ね愛、袂。
財産、斎へ向かい無い「死後、如何?」。
連れ合い、遠に己れの歩急ぐ道。
年老いる事、死んだ人の戸。
側の人の手落ち着かした鼓動。
言葉無くして黙り込んだ事。
*
己れが詠う意味合い「死んだら如何?」。
「遠くになる程、何故側に思う?」。
大事な奴等、然るべき同縁。
束の譜面、宛名は無い便箋、封する封筒。
己れが居た証拠、大層な文学紙紡いだ多奏。
嵩張る数、孤独揺らす結晶。
針刺す墨、墨汁を磨り清書。
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