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本作は、記憶の風化と幽霊的な残響をテーマにした、没入型のスペクトラル・ダーク・ポップです。アナログテープのヒスノイズと、8セントほどデチューンされたピアノの音色が、不確かな過去からの「亡霊」のような質感を演出し、バイノーラル3Dミックスによってリスナーを水圧のかかる静寂の底へと引きずり込みます。
最大の見どころは、Bセクションで展開される半音階の下降(クロマティック・ディセント)と、キックとハイハットの間で刻まれる微細なポリリズムです。ドライで親密なリードヴォーカルと、12db下げられた遠くの幽霊的な男声ユニゾンが重なり合い、4.2秒という長い残響の中で溶け合っていく構成は、まさに「忘れることで覚えている」というパラドックスを音像化したもの。光のない場所で、崩れゆくほど鮮明になっていく誰かの輪郭をなぞるような、美しくも残酷な一作です。
Negi0723は、感情の揺らぎと都市の空気感を繊細にすくい取るミュージシャン。 エレクトロニックとポップ、オルタナティブの要素を横断しながら、 きらめきとノスタルジー、衝動と内省が共存するサウンドを描き出す。 印象的なメロディと映像的なリリックが特徴で、 一瞬の感情や夜の断片を切り取るような楽曲世界は、 リスナーそれぞれの記憶や物語と静かに共鳴していく。 ジャンルに縛られず、感覚を信じて音を紡ぐ。 Negi0723の音楽は、日常と非日常の境界線をやさしく溶かしていく。