Lyric

"ねえちょっと、今、私の話聞いてなかったでしょう？"

さっきからこんな調子で 彼氏とのデート話ばかり

いつものバーカウンター 君はピニャ・コラーダ

僕は作り笑いで上の空

相槌代わりにだけ飲む酒 想い伏せたままで

薄明りの照明が照らす君

リトル・マーメイドのような

少し赤がかったその髪 とかすたび微かに香るパフューム

君の目の前にいるのは誰？

今は僕と君 二人だけ

なのに触れられないのは何故？

抗えないストーリー

君が主演を飾り 僕は友達役

理性という脚本には いつもそう書かれてる

それならばいっそ完璧に演じてみせるさ

何テイク重ねても 結末は決まってる

悲しき Actor

2杯目を飲み干して 空いたグラスなぞった 誓いの指に光るリング

"ねえ、あと一杯頼んでいい？"

って君は悪戯まじりな笑み浮かべる

ベティ・ブルーがフェイバリットムービーの君の目には何が映ってる？

奪い去りたい

書き溜めていたリリックの山

もしも君の目に触れたなら

タイプライターに向かう姿

妄想が走る

"不思議とあなたには何でも話せるわ"

そう言って微笑んで いつも僕を惑わす

それでも君の瞳の フォーカスは合わない

これまでも これからも そう 彼の腕の中

この店を出るまで 僕のセリフなんて

理性という脚本には 歯がゆいものばかり

何度もためらったアドリブ 今日も胸にしまい込み

いたずらに ひたすらに グラスを傾けるだけ