いつも卒業式の日だけは、
心から笑えるような人生だった気がする。
そう、今までのことを何もかも
覚えていてとは言わないよ。
あの夜のことだけ忘れないでいて
くれたらそれだけでいいから。
この先には、僕ひとりじゃ
到底立ち向かえないような。
不可逆な後悔ばっかりの雨が降ってる。
終わるはずの世界をまだ剥がせなくて。
映画の半券を捨てられずに。
時間を全て引き延ばしてラミネート生地に挟む。
人を傷つけた過去を忘れて、
何も無かった顔をして。
挙句の果てには語り手のつもりで。
いつか下る天罰でも、
僕にはまだ足りない筈だ。
蘖に膿んだ感傷の突然変異。
栞を差すその時まではまだ居るから。
この先には僕ひとりじゃ
到底渡りきれないほどの。
海原のように波打った悲しみがある。
終わるはずの世界をまだ。
消えたはずの記憶がまだ離れなくて。
- 作詞
ノ狐図書
- 作曲
ノ狐図書
ノ狐図書 の“雨の函 (feat. 可不)”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード
- ⚫︎
雨の函 (feat. 可不)
ノ狐図書
アーティスト情報
ノ狐図書
2000年生まれ。神奈川県出身。2023年から「ノ狐図書」名義でボカロPとしての活動を開始。シューゲイザー、オルタナティブ、ミッドウェスト・エモに影響を受けたサウンドと、抽象と具体の間を行き来する散文的な歌詞が特徴。
ノ狐図書の他のリリース
可不
IZUNA Records