歌詞

原の辻に　風が吹く

静かな時の中で

緑の葉が　かすかに揺れ

こだまのように　響いている

昔の人が　残したもの

それは　石でも　言葉でもなく

ただ　この風の中にある

誰も聴けない　祈りの声

空を渡る風が

砂をすくい　光を運ぶ

それは　時をこえた　想いのかたち

いまも　この島を　めぐっている

原の辻の　土の下に

多くの夢が　眠っている

そのひとつひとつが

風にほどけて　詩（うた）になる

聴こえるのは　草のささやき

見えないのは　時の流れ

風は　いまも舞い上がり

静けさの中で　命を守る

人は　忘れても

風は　すべてを覚えている

ここで生まれた　願いと

ここで消えた　やさしさを

やがて　光が差して

緑がまぶしく　輝くころ

原の辻の風は　また

新しい命を　連れてくる

その風が　私をなでる

遠い日の声が　聴こえる

祈りのように　やわらかく

すべてを包みこむように

そして　時は　また静まり

風だけが　詩（うた）を残す

この場所は　いまも　命のままで

そっと　空を　見上げている