歌詞

ひとつ　ふたつ　星の音

夜がゆっくり深くなる

角を曲がれば風がやみ

街の灯りが遠くに滲む

猫と並んで足をそろえ

靴音だけが拍を刻む

指先に触れた月の冷たさ

胸の鼓動がやさしく整う

ほしぞらスローウォークの真ん中で

今日の言葉をほどいていく

薄い光のリズムに合わせ

明日の入口を見つけ出す

電線の上を風が渡り

雲の切れ間に星が増える

猫のひげがきらり光って

笑みがひとつこぼれ落ちる

ひと呼吸して空を仰げば

夜のページが静かにめくれる

ほしぞらスローウォークの真ん中で

言葉はそっと澄んでいく

淡い瞬きのぬくもりだけ

胸にしまって歩いてく

遠くの踏切ひとつ鳴り

風見鶏が影を回す

猫がしっぽで合図をして

角の向こうへ誘ってくれる

通り過ぎた日々のいくつかが

星座みたいに線を結ぶ

名前のない小さな光が

今夜だけの物語になる

ほしぞらスローウォークの真ん中で

今日のページをとじていく

やわらかな光に手をひかれて

明日のページをひらいていく

同じテンポでならぶ足音が

静かな終止にほどけていく

最後の角で息を合わせ

猫に「またあした」と囁く