

たったひとつだけ知っているそのことを
きっと僕以外はずっと前に知っている
季節が過ぎて変わる景色とともに
馴染むように少しずつ僕らも変わる
風が吹く 暖かな空気がまとわりつく
人々は長袖を捲ってアスファルトを踏む
それまでは見えなかった君の袖の向こうの色
遅めの春が訪れた
たったひとつだけ離れているこの席の
距離をたった1mmも埋めたことはない
もしも僕のほうを振り向くことがあるなら
そのまま外へ君を連れていきたい
汗を拭く 蝉の声が季節を知らせている
隣の半袖を見て焦りはじめる
もうすぐしばらく会わなくなってしまうから
忘れないように焼き付けた
君の色 天井に映し出してみる
そんなことしていたら季節は過ぎていった
風が吹く 木枯らしの空気でささくれていく
人々は長袖を纏ってアスファルトを踏む
もうすでに見れなかった君も袖も向こうの色も
さよならすら交わさなかった
新しい風が塗り替えた
- Lyricist
Nazuka
- Composer
Nazuka

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