まだ夏にならないでのジャケット写真

歌詞

半袖にはまだ早い

YxY

昼間の暑さがまだ残ってる駅前で、

制服の袖をまくったまま歩いていた。

「もう夏みたいだね」って笑う君に、

うまく返事ができなかった。

コンビニの冷蔵ケースの前、

どのアイスにするか迷う時間とか、

どうでもいいはずの場面ばかりが、

後からやけに残ってしまう。

近づきたい気持ちほど、

ちゃんと言葉にならなかった。

半袖にはまだ早い。

夜風が少し冷たい帰り道、

君が腕をさすったその仕草を、

なんでかずっと覚えている。

始まりそうな空気のままで、

何も変わらなければよかった。

好きだって言えないままの距離が、

あの季節には似合っていた。

川沿いのベンチに座りながら、

自転車の鍵を指で回していた。

部活帰りの笑い声が遠くに聞こえて、

街だけが少し夏に近づいていく。

「来月になったら花火あるね」って、

君は何気なく言ってたけど、

たぶん怖かったのは、

夏が来ることじゃなくて終わることだった。

変わらないと思っていた時間ほど、

気づけばすぐ通り過ぎていく。

半袖にはまだ早い。

湿った風が髪を揺らすたび、

今しかない夜なんだってことを、

急に苦しく思ってしまった。

コンビニの白い灯りの下で、

少しだけ沈黙が長くなる。

言葉にしてしまった瞬間に、

全部変わってしまいそうで。

夏が始まれば何か変わると思ってた。

でも、本当に好きだったのは、

変わる前の

この時間だった。

半袖にはまだ早い。

君と歩く夜の温度も、

川沿いを抜ける風の匂いも、

まだこのまま消えないで。

半袖にはまだ早い。

戻れなくなる前の今だけは、

何にも名前をつけないままで、

もう少し隣にいたかった。

遠くで電車が通り過ぎる音だけが、

静かな夜に残っていた。

  • 作詞者

    YxY

  • 作曲者

    YxY

  • プロデューサー

    YxY

  • ボーカル

    YxY

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