まだ夏にならないでのジャケット写真

歌詞

自販機の前で夜になった

YxY

川沿いの道を並んで歩きながら、

どっちが先に夏服になるかなんて話してた。

コンビニを通り過ぎたあとで、

「なんか飲む?」って君が立ち止まった。

白い自販機の光に照らされて、

君の横顔だけ少し大人に見えた。

冷たい缶を取り出す音が、

静かな夜にやけに響いていた。

何かが変わりそうな気がして、

急にうまく笑えなくなった。

自販機の前で夜になった。

湿った風がゆっくり通り過ぎる。

君が缶ジュースを持ったまま、

「まだ帰りたくない」って小さく笑った。

始まってほしいわけじゃない。

でも終わってほしくもなかった。

名前をつけないままの時間だけが、

あの夜にはちょうどよかった。

遠くで部活帰りの声がして、

住宅街の窓に灯りが増えていく。

「夏休みってすぐ終わるよね」って、

君は空を見ながら言っていた。

たぶんあのとき気づいてた。

どんな季節もずっとは続かないこと。

だから何気ない会話ばかり、

今でも忘れられないんだと思う。

近づけば近づくほど、

この時間が壊れそうで怖かった。

自販機の前で夜になった。

君の髪を揺らすぬるい風も、

少し溶けた氷の音までも、

今でもちゃんと思い出せる。

好きって言葉にしなくても、

たぶん十分だったんだと思う。

戻れなくなる前の空気だけを、

ずっと抱えたまま歩いてる。

夏が始まれば何か変わると思ってた。

でも、本当に好きだったのは、

夜になる直前の

あの時間だった。

自販機の前で夜になった。

君と並んでいた帰り道も、

川沿いを抜ける風の匂いも、

今では季節の向こう側にある。

自販機の前で夜になった。

もう同じ時間には戻れなくても、

何にも名前をつけなかったことを、

少しだけ大事に思ってる。

最後の一本を買う音だけが、

静かな夜に残っていた。

  • 作詞者

    YxY

  • 作曲者

    YxY

  • プロデューサー

    YxY

  • ボーカル

    YxY

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