

駅前の景色は変わってないのに、
歩く速さだけ少し変わっていた。
よく待ち合わせしていたコンビニも、
夜になると昔のまま光ってる。
「また今度ね」って別れたあと、
本当に“今度”が来なくなることを、
あの頃の俺たちはまだ、
ちゃんと知らなかった。
失くしたわけじゃないのに、
戻れないものばかり増えていく。
あの頃より、少しだけ大人。
君と歩いた川沿いの道も、
半袖にはまだ早いって笑った夜も、
今では遠く静かに残ってる。
何かになれたわけじゃなくて、
ただ季節だけ通り過ぎていった。
それでも忘れたくないと思えるのは、
ちゃんと青春だったから。
終電後の静かな改札とか、
自販機の前で立ち止まった夜とか、
どうでもよさそうな場面ばかり、
今でも不思議なくらい覚えてる。
「夏になったら変われるかな」って、
あの日の君は小さく笑ってた。
たぶん変わってしまったのは、
季節より先に俺たちだった。
戻りたいわけじゃない。
でも、消えてほしくはなかった。
あの頃より、少しだけ大人。
君の言葉の意味も今ならわかる。
何も始まらなかった関係ほど、
長く胸に残ってしまうこと。
夕焼けが長かった帰り道も、
湿った夜風の匂いも全部、
あの日のままで止まっているのに、
俺たちだけが先へ進んでいく。
夏が来れば何か変わると思ってた。
でも、本当に大事だったのは、
変わる前の
あの時間だった。
あの頃より、少しだけ大人。
君と笑っていた帰り道も、
名前をつけなかった感情さえも、
今ではちゃんと愛しく思える。
あの頃より、少しだけ大人。
もう同じ季節には戻れなくても、
“まだ夏にならないで”と思っていた、
あの夜だけは忘れたくない。
遠くで今年最初の蝉の声が、
静かな夜に混ざって聞こえていた。
- 作詞者
YxY
- 作曲者
YxY
- プロデューサー
YxY
- ボーカル
YxY

YxY の“あの頃より、少しだけ大人”を
音楽配信サービスで聴く
ストリーミング / ダウンロード



