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歌詞

MASLA-O

来る者拒まず、去る者は追わず

だからずっとおれは井の中の蛙

ウワサに聞く「大海」はよく知らないが

大してこの井の中のことも、知らないんだ

行き場のない足怪我した小さい虫

不器用に踊りながら漂ってる空気

そんな時、二つの感情が湧いた

それに『おれは何様だ?』って

つぶやいた

他の奴らは何故か満足な笑顔

『おかしくないか?』なんて言いだせるわけないな

苦しんでるのはおれだけ 苦痛走った

滴った水を浴びた時にそれを忘れた

暗い井戸 見上げりゃ白い雲

世界におれだけ取り残された気がして

周り見ると、さっきの可哀想な虫は

隣の奴がもう食っちまってた

何が見える?

ここから何が?

バカしかいねぇ

ホントバカしかいねぇ

おれは何を見たい?

また性懲りもなく、目が覚めてしまった

ずっと暗いここじゃ昼か夜か、あいまい

井戸の空気が少しぬるくなった

あぁ朝が来た。

昨日ジイさんガエルが言ってた

『大海は厳しいぞ、お前なんかすぐ死んじまう』ってな

ここからロクに出たこともないくせに

言い返してやりたい

『先に死ぬのはテメェだ』って

日が経つごとに不安が増えて溺れそう

理由は分からない、それが分かりゃおれはここにいない

なんでおれだけ…?まただ、ずっと一人きり

でも、もしかすると皆そうなのかもしれない

怖くて、前に、上に、外に行けないよ

闘うことよりも死を選ぶ方が簡単だ

だからいっそ… いや、明日また考えよう

今まで得てきたもの全部捨てて

ギョロギョロしたこの黒目落ち着かせて

唯一皆頭が上がらない雨みたいに

底を照らす太陽の光みたいに

おれは透明になりたい

おれは透明になりたい

おれは透明になりたい

透明になりたい

散々落ち込んだこいつは

今も飄々と生きてる

死にたいという感情を抱えて

それを自分の堕落の理由にして

感謝を忘れ、自分の理想だけを誇り

外の世界に行くべきだと思い悩んでる

一人それを繰り返しながら、ずっと

他人からの助けを待つ、孤独極まりない

  • 作詞者

    MASLA-O

  • 作曲者

    MonkeyMuzik

  • プロデューサー

    MonkeyMuzik

  • ラップ

    MASLA-O

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アーティスト情報

  • MASLA-O

    大阪府豊中市出身。 HIPHOPシーンには似合わない、「普通のちょっと上」の家庭に生まれる。 2019年、実家のクローゼットで音楽活動を開始。 同時期に発病した精神疾患による、うつ状態と抗うつ剤の投与で生活が一変。ベッドから起き上がることもできない日々の中、ただ死を見つめ続け、「普通」でなくなってしまった自分を卑下しつつも、その自分を特別視してしまう矛盾。 2021年に京都に移り住み、本格的なライブ活動、そしてSingleを発表。 その3年後に発表した1st EP『ジェイボーイ』では日本という国に対する疑心と彼の日本主義的思想がよく見てとれる。 2025年、上京する直前に発表した1st Album『NEW TOWN』では、それまでの22年間の人生を「川のこちら側と向こう側」、「生と死」、そして「正常と非常」といった二項対立で描いた。 よくあるHIPHOPのフレックスとは違い、負の方向に重きを置き、人生を模索する彼のルールはリリックに表れている。 自身の生活と一体化した叙情的で陰鬱なリリックと、弱さをそのまま曝け出すスタイル、荒削りなライムで、人の生と死という大きなトピックを書き残し続けている。

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