ごめん
急にごめんな
変な夢見たんだ
できることなら何も云わずに
僕の話を聞いてほしい
いつも夢って見たあとは
ものすごいスピードで
忘れてしまうよな
でもさっき見た夢はなんか
ずっと脳に挟まってるというか
なんかもう記録しろって
云わんばかりに
僕の脳で渦巻いてるんだ映像が
ごめんな
ほんと
何云ってるか
わからないところもあると思うけど
聞いてくれる人が
きみくらいしかいないんだわ
ごめん聞いてくれるか
ごめんな
気がつけば僕は豪雨の中の
都市の大通りにいたんだ
みんな傘をさしてて誰の顔も見ない
なんでかみんな黒い傘をさしてた
雨のせいで
ぼんやりとしている電光掲示板では
これから起こる未来の話をしていた
どうやらなんかすごいウイルスが
蔓延していくようなんだ
それで人もたくさん死ぬ
医療崩壊って聞いたことなかったような
言葉がいっぱい聞こえてきて
それだけはなんかすごい印象に残ってる
他にも未来の話をしていた
空は近いうち雨以外の
天気になることはなくなるみたい
そればかりはその時の豪雨から
ちょっと想像できたんだけどさ
でもその先を想像したらかなりゾッとした
あと戦争も始まるみたいだ
平和って大事だよな
でもとある論者からしたら
平和は人間という生き物からしたら
むしろ異常らしいんだって
戦争という普遍が訪れるって
電光掲示板でアナウンサーが
ただただ顔色変えず原稿読んでた
その冷たい顔がほんとうにこわかった
そして戦争による地球温暖化が続いて
ずっと降り止まない雨に合わさって
有毒な雨に変わっていくんだってさ
これのせいでコンクリートが蝕まれて
僕が見た夢の話だから
よくわかんないかもしれないけど
でもほんとあの真っ黒なビルの街も
穴ぼこだらけになっていくみたい
だから一人に一つの
防護服の用意がなされるみたい
でもこれが前に流行ったいやこれからか
これから流行るすごいウイルスのせいで
社会がストップしたときの
最大の不景気の影響をもらっている人々の
貧困の差が浮き彫りになって
防護服を買える人と買えない人の差として
形になっていくそうだ
もちろん外にはもう防護服なしでは危険だから
貧しい人たちは外へは出られない
そんなこわいことを電光掲示板でやってた
でもみんなこんな豪雨だからさ
自分の服や荷物が濡れないように
するために必死だからさ
そんなの嘘だって気にしてなかった
僕はどうやらとある大企業の会社の
情報をまとめに来たみたいだ
これは仕事だった
ビルの中に入ると事務の人たちが
迎えてくれた
情報をまとめに来ましたと
云おうとしたけど
すぐに優先エレベーターに
案内されて乗せてもらって
そうだな
1~2分ほどは乗ったかな
だからすごいデカい建物だったんだ
地下へ行くか高いところへ行くかは
わからなかった
でも今思い返せばたぶん
高いところへ行ったんだと思う
エレベーターをようやく降りると
その会社の事務の人たちの
通りのような場所へ出てきた
みんな外の人と同じで
自分の仕事以外何も気にも留めてなかった
それを眺めながら階段を登った
灰色の階段を登りきったら約束していた
会社の人がいた
その人が僕の情報をまとめる仕事に
付き添ってくれる人だった
顔は僕が前につとめてた
会社の課長にすごい似てた
ごめんこの前につとめてた
というのは現実の話
現実で会ったことのある人が
夢で出てきたってだけの話
その人と窓から見える雨のすごい風景を
眺めながら
雨やみませんねとか
なんのおかしくもない世間話をしながら
情報をまとめている金庫へ向かった
それまでも事務をそつなくこなす人々の群れや
昼食に出かける背広のおじさんたちと
すれ違いながら
僕らは金庫へ向かった
かなり薄暗い部屋の中にいた
受付の人に約束の許可書類を見せて
僕らはその奥のだいぶ暗い廊下を歩いていったら
赤いカーテンに囲まれた
絨毯が敷かれた金庫室に来た
金庫室からその課長は
小銭ばかりを取り出してきた
溢れんばかりの小銭を
白いテーブルの上に乗せていったんだ
こぼれた小銭を僕が拾って
テーブルに乗せる頃には
その小銭はCDの山になっていた
そのCDは僕が買って心の支えにしていた
音楽のCDばかりだった
いやごめん
たぶんこれはほら
夢独特の急に変わるものとか景色の一つだから
あんま気にしないで聞いてもらえればいい
そのCDを眺めているうちに
僕らがやってきたあの暗い廊下から
背広のおじさんたちがCDを
山程抱えてやってきたんだ
僕は情報をまとめる仕事とは聞いていたけど
ほんと何の情報をまとめる仕事なんだろ
ってその時は思ってた
そしたら課長やそのおじさん
上司たちも金庫室の中にCDを放り投げていった
でももうそこは金庫室じゃなかった
口の形をした焼却炉だった
焼却炉にCDを投げつけていく
僕も何故か一心不乱にCDの山を
体全体を使ってできる限り抱えて
焼却炉へ投げ込んでいくんだ
そしてあらかたのCDを投げ尽くした
焼却炉は苦しそうに放り込まれた
CDを燃やそうとしていた
したら次の瞬間
焼却炉はデカイ音を立ててプシューッと
白い煙を吐いて動きを止めて
口をとがらせて
1枚のCDを吐き出した
今までのCDの山は
みんなが好きだった
音楽なんだなってわかった
それをなんで焼いているのかは
全くわかんなかったけど
でも焼かなきゃいけないことになったんだろう
吐き出したその1枚のCDが
まさに僕が仕事で必要だった
情報をまとめたCDだったんだ
そのCDを手元のプレイヤーで再生したんだ
こんな感じのメロディーが流れてきた
その時に目が覚めたんだ
僕は夢からこれから起こることと
1つのメロディーだけをもらって
現実世界に目覚めた
そうやって夢から
これからのことを教えられた僕が
こうやって記録するように曲を書いてる
楽しい明るい曲が流行になるなら
僕の曲は流行らないよ
でもきっと未来には
すべてが当たり前に
すべてが当たり前に
すべてが当たり前に
ごめん長いこと聞いてくれて
やっぱりきみにしかこういう話できないんだ
今ではもうさっき話した夢の詳しい内容も
ちょっとおぼろげになってきてる
覚えてるうちに話せてよかった
ありがとう
それじゃまた
夢で会おう
- 作詞
与命0401
- 作曲
与命0401
与命0401 の“MADE IN DREAM (feat. 阪本数奇)”を
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ストリーミング / ダウンロード
- 1
ネメシス (feat. zecchi & B-ta)
与命0401
- 2
STRANGER THAN PARADISE (feat. ヰヅメ)
与命0401
- 3
POP RUN PROP
与命0401
- 4
ROCK RIOT IDIOT
与命0401
- 5
GHOST LATE NIGHT
与命0401
- 6
CATASTROPHE GRAND PRIX
与命0401
- 7
NEO (N) YOUTH
与命0401
- 8
DITTO TEWO MIRU (feat. アシオリカ)
与命0401
- 9
SENSE OFF WONDER (feat. 巫泥 & 螟上?邨ゅo繧)
与命0401
- ⚫︎
MADE IN DREAM (feat. 阪本数奇)
与命0401
- 11
DIO RAMA DRAMA (feat. 私画71)
与命0401
- 12
ニコラ区テスラ市のきみへ
与命0401
- 13
MY IDIAL PHANTOM
与命0401
非常に巨大な世界観を落とし込んだアルバムとなった。
一曲一曲の存在感もとても大きく、スケールのでかい曲が13曲も集まっていることがまるで奇跡のように思える。
アルバムの総再生時間は13曲全てあわせて、ぴったり80分となっている。本当にこだわれる部分はすべてこだわり、誰に聞かせても全く恥ずかしくならないよう、全力を持ってこの都市の建設に力を注いだ。巨大な世界の中にアルバムを聞く人を訪れさせて、一つ一つの曲を追いかけてもらいながら、それぞれの風景や解釈をこのアルバムの中に表して欲しい。
与命0401のアルバムタイトルには、必ず、「アトム」という言葉が隠れている。1stアルバムの「automata」にもatomが隠れているし、2ndアルバム「アトム・ハート・マイン」ではもはや隠れていない。3rdアルバムも例外ではなく、「ATOM」が存在している。
DIO RAMA CITYと3単語で分けたのはもちろん3枚目のアルバムだからという縛りで、曲のほとんどにもその縛りを設けている。その縛りから離れているネメシスとニコラ区テスラ市のきみへは、大きな意味を孕んでいるのだが、その意味は僕から提示することではない。聞いてもらえるオーディエンスに任せたい。
ジオラマの意味である、DIORAMAという単語をわけ、イタリア語で神の意味を持つ、DIO、インドで英雄として崇められているRAMA、その名前を冠すCITY。まさに、神が造った都市というテーマで物語をまとめた。この都市が世界の舞台となり、この都市を取り巻く様々な主人公たちでこのアルバムは出来上がっている。
終末系ボカロPを名乗っているのだから、もちろん終末を描く曲でほとんどが構成されているのだが、終末がただ単に悲しいだけのものではないというところにこだわりたかった。終末を迎えることで開かれる新しい未来、明るい終末というのを描くことがテーマになった。だからこそエグい終わり方をする終末もアルバムの中で落とし込めたのだ。様々な場所で行われる営み、そして生活。それが何らかの理由で終わってしまうこと、それは至極当然のことで、これまでも何億回とやってきた。でもその一つ一つにはドラマがあって、今回は13曲分しか取り上げることができなかったが、それでも僕らが住む普通の世界の方がもっと大きい世界を持っていると思うのだ。
僕ら創作者は虚構の中に箱庭を作って、そこで自分の世界を育てる。ただやっぱりその世界の育て方に影響してしまうのは、僕らが住んでいる現実の世界なのだ。現実と虚構を行き来して、DIO RAMA CITYというひとつの世界が現れて、それが皆さんの手元に届き、皆さんの世界観の一つにDIO RAMA CITYが影響を及ぼすのなら、これほど嬉しいこともない。
僕は今回のアルバムで与命0401でやりたいことをほとんどやり尽くしてしまったと思った。もしかしたら与命0401で発表するものはこれが最後になってしまうかもしれない。でも僕は満足している。このアルバムで与命0401が終わるのなら、それは光栄なことだ。
次の物語は阪本数奇として更新していくかもしれない。それらはまだ未定だ。でも、忘れた頃にやってきては、皆さんに衝撃を伝える存在として、ずっと音楽や絵や物語を携えて、ずっと、ほんとずっとやっていきたいのだ。
どうか絞り切るまで聞いて欲しい。絞り切るのに大変な労力がいるくらいには、相当の耐久度を持たせてある。好きな曲だけループしてもいいし、アルバムの世界観を追うために曲順で聞いてもらってもいい。僕の世界を誰も邪魔できないように、僕も皆さんの世界を邪魔しない。
この世界を一緒に育てていって欲しい。
忘れた頃にやってきます。
忘れないでね。
では。