歌詞

改札くぐってディレイの世界

スニーカーだけが時間を刻む

アナウンスは夢の吹き替え

“次の列車は、君じゃない。"

ポケットの中、くしゃくしゃのメモ

「また会えたら」って何度書いた？

消えかけの文字だけがリアル

キオスクの新聞よりずっと

誰かの別れがベンチに座ってる

コーヒーと涙の温度比べ

見知らぬ他人のくしゃみで

今夜の空気がちょっと揺れる

5番線で、誰を待ってる？

名前も知らない寂しさと

終電なんて来なくてもいい

この景色が続くなら

背中合わせのストーリー

発車ベルとセリフがかぶる

このホーム、舞台装置

主演不在で開幕中

ガム踏んだままのスニーカーで

ちょっとだけ未来を引きずった

電光掲示板の点滅に

「YES / NO」しか表示されない世界

キオスク閉まって、風がすり抜ける

自販機の灯りがやけに哀しい

「人はなぜ移動するのか？」

って広告に聞かれて黙った

片耳イヤホンで聴くbossa

でも鼓動はtrapみたい

この無音のフィクションに

たまには乗ってみてもいいかもね

5番線で、夢を待ってる

靴底に絡む日常と

改札抜けても残ってる

あの声、あの温度

電車が来なくても進む

そんな夜があってもいい

時計は知らないふりしてる

今夜だけ、時刻表はフリー

ホームってさ、

終わる場所じゃなくて、

迷いを座らせるベンチだと思う。

君も座ってたんだっけ？