歌詞

SMIRE『すみれの願い』
静かに道端に咲く、小さなすみれの花。
誰の目にもとまらず、風に揺れていたその花が、ある日、たったひとりの「あなた」に見つけられた瞬間から、世界は少しだけ温かく、そして鮮やかに色づき始める。
SMIREが届けるバラード『すみれの願い』は、そんなかけがえのない「出逢い」から始まる、繊細で美しい物語。
1/fゆらぎを取り入れたピアノと、包み込むように広がるストリングス。
静かなイントロから、感情が溢れるクライマックスまで、まるで一本の映画のようにドラマティックに展開されるこの楽曲は、誰かに大切に想われた記憶をそっと呼び起こしてくれます。
「ありがとうの気持ちが　今もあふれて止まらない」
「すみれのようなこの想いが　キミの優しさで咲き誇れた」
歌詞に込められているのは、ただの感謝や恋しさではありません。
それは、誰かの「優しさ」によって救われた小さな心が、やがて「誰かの幸せを願う力」へと変わっていく過程。
ありふれた日々の中で、ひとつだけ輝く記憶。
そこに確かに存在した、あたたかなまなざし。
そして「想い」は、名前も呼ばれずに咲いていたすみれのように、小さくても真っ直ぐに、空へと届いていく。
主人公である“わたし”は、決して特別な存在ではない。
不器用で、うまく伝えられない、そんな普通の女の子。
だけど、“キミ”との出逢いが、その胸に確かな光を灯し、自分を信じる勇気をくれた。
「ありがとうの言葉じゃ　足りないほどに
　キミがくれた愛が　私を強くした」
“強くなりたい”と願うのではなく、
“あなたの幸せを願いたい”と、自然に思えるようになったとき。
それこそが、本当の意味で誰かを愛するということなのかもしれません。
この曲の魅力は、壮大なサウンドに包まれた力強いサビだけでなく、
語りかけるようなAメロや、心にそっと触れる言葉の選び方にも宿っています。
派手な演出ではなく、まるで手紙を読むように、
一行一行が、聴く人の記憶に静かに寄り添っていく。
そしてラスト。
「この命が尽きるその時まで
　私はキミの幸せを　願いながら歌うよ」
SMIREの声は、ここで“祈り”そのものになります。
それは、どんな言葉よりも誠実で、あたたかく、
そして永遠に消えない“想いの灯火”。
『すみれの願い』は、聴く人それぞれの“誰か”を思い出させてくれる歌です。
家族、友人、恋人、あるいはもう会えない人。
そんな存在に向けて、ただひとこと「ありがとう」と伝えたくなる。
この曲を聴き終えたあと、きっとあなたの心にも、小さなすみれがそっと咲いているはずです。
目立たないけれど、強くて、あたたかくて、
大切な誰かのために、風の中で揺れている。
その想いこそが、「願い」と呼べるものなのだと気づかせてくれる。
“あなたの幸せを願う、それが私の幸せ”
そんな純粋な想いが詰まった、
SMIREの渾身の一曲。
『すみれの願い』が、あなたの心に静かに灯りますように。