歌詞

徘徊デッドリビング

徘徊している

そう 俺は今まさに徘徊をしている

空気の一粒一粒がはっきりと見えそうなほど

爽やかに蔓延した朝をガラス越しに見つめながら

俺は365日変わらぬ蛍光灯の光を浴び今日もたった今徘徊を始めたのである

昨晩心を震わされた発光する死体の残した名言はもはや頭の中には欠片も残っておらず

それに伴った決意にもっともらしい理由を巻きつけ

ほんの少しの躊躇いを添えて溺死させた俺は

ノンレム起床で肥大した重力に抗いつつ今日もこの足を動かしているのである

徘徊している

そう 俺はまだまだ徘徊を続けている

四輪駆動が夢の後 残された行き場のないエネルギーが

ただ何となく沈殿している昼をレンズ越しに見つめながら

俺は36.5度の身体に電気信号を飛ばし 今日もまだまだ徘徊を続けているのである

そろそろ何か有意義なことをしなければとは思うが

いやしかし本当に有意義なことは例外なく面倒事であるがために

神経摩擦と暗中模索に疲弊した俺には些か難易度が高過ぎることであった

仕方なく 本当に仕方なくスケジュール帳に「後悔」とだけ書いてポケットに仕舞い

今日もまだまだ徘徊を続けているのである

徘徊している

そう 俺はまだまだまだまだ徘徊を続けている

空っぽが寄る辺なく浮遊する俺のような夜を眼球越しに見つめながら

俺は365度逃げ場のないどん詰まりのリビングで今日もまだまだ徘徊を

まだまだ徘徊を 終わらない徘徊をまだまだまだまだ続けているのである

十数年間同じような日々を過ごしながら 今ここに至るまで何の改善も見られない

ここまでがテンプレート

良い意味でも悪い意味でも諦めるということを飲み下しながら

れでも妥協と惰性を死ぬ思いで噛み殺しながら

それでも俺は確かにここで生きているのでございます