

湿った風
君の匂い
錆びた自転車
夏の軌道
「永遠ってさ、たぶん今の事だよ」
なんて
笑う声だけが
やけにクリアに響いてた
どうしてかな
忘れたくないって思うほどに
指の隙間から
色が抜けていく
ソーダ水、弾けた。
君という透明なナイフが
僕の喉を滑って落ちた
世界が透き通る
夏だった
テーブルの染み
指でなぞる
君の口癖
なぞるように
「時間はね、もう戻らないんだよ」
なんて
僕の知らない顔で
君はどこかを見ていた
いつからかな
交わした言葉が泡になって
意味を失って
空に消えていく
ソーダ水、弾けた。
僕の知らない君の匂いが
この部屋を満たして消えた
君だけがいない
夏だった
「君はもういない」
なんて
世界がつく嘘
だって今も
このグラスの中
昇っては弾ける
気泡のひとつひとつが
君の心臓の音
僕の記憶がぜんまいを巻くたび
君はここで
また息をする
ソーダ水、弾ける!
君の言葉が
泡の心臓が!
僕の宇宙で鳴り響いてる!
僕を穿って
夏になる!
君が生きてる
音がする
- 作詞者
GL!TCHTiara
- 作曲者
GL!TCHTiara
- プロデューサー
GL!TCHTiara
- レコーディングエンジニア
GL!TCHTiara
- ミキシングエンジニア
GL!TCHTiara
- マスタリングエンジニア
GL!TCHTiara
- グラフィックデザイン
GL!TCHTiara
- ギター
GL!TCHTiara
- ベースギター
GL!TCHTiara
- ドラム
GL!TCHTiara
- キーボード
GL!TCHTiara
- シンセサイザー
GL!TCHTiara
- ボーカル
GL!TCHTiara

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ソーダ水、弾けた。
GL!TCHTiara
GL!TCHTiara、3週連続リリースの三部作・第二章。自己崩壊の次に描かれる、夏という現象。
Art Popの新たなる万華鏡、GL!TCHTiaraが、3週連続音響小説リリースの第2弾、『ソーダ水、弾けた。』の配信を開始した。
前作『一本の髪』で、聞き手の自己認識を打ち砕く「静かな恐怖」を提示した彼女たち。続く第二章で描かれるのは、あまりに鮮烈な「光」の記憶である。
夏という季節に結晶化した、時間の不可逆性。永遠を信じた瞬間にこそ、記憶は透明なナイフに変わる。「喪失」そのものではなく、「過ぎ去った」という冷徹な事実を、疾走する音像で描き切る。
これは、自己が崩壊した者が見る、痛みを伴う美しい幻影。最終章を前に、あなたはこの光の屈折を、どう読み解くか。物語は、まだ終わらない。
アーティスト情報
GL!TCHTiara
ようこそ、美しい瑕の世界へ。 日常に溢れる美しい狂気を、万華鏡のように描き出す。 ジャンル:Art Pop / Experimental Pop
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BGM JAPAN MUSIC