Lyric

人いきれ　歯切れ悪いワイヤレス

使い古してく劣等感の掃き溜め

不躾に隙間縫う無音の連続

どことなくこの夜に似てる

何者かではありたいだなんて

所詮　小粒でべったりと甘いだけ

ああ　息を遮る　湿度が窮屈

どっぷりと深まる　コンクリートジャングル

注がれる夜　避ける術なく

押し固めては呆気なく

形が欲しかった　数になりたかった

泳ぎきれない熱帯夜は　苦々しいまま

余白さもなく漏れなく広告

急かされ描く　ひび割れた真っ直ぐ

可も不可もなくな自己肯定感じゃ

もう人として終わりじゃん

とうに諦めた唯一無二　せめて可算名詞

あたしゃ馬鹿だから分かんねえし

揺らめく脳裏の言えない念慮

陽が沈んで尚　消えない陽炎

止めどなく　夜　心蝕む

頑丈な命は　最低の皮肉

描く終わらせ方　今更どう足掻けば

それでもまだ捨てきれない

白々しい朝

轍の真ん中

乾き切ったひしゃげた輪郭は

まだ蟷螂を描いて

それすら羨ましくて

傾ける夜　力なく沈む

遅すぎた朝が来る

形になりやしない　ひとつにも満たない溶け残り

混ざり合えずに冷め切っても

まだ甘ったるいまま