歌詞

遅咲きの桜

苗字にひらがな足した黒舟は

ボロいシャツの雑巾に

バロック調のフィルターかけた

稲穂、垂れる

答えを写すだけの歴史も

合わない手形で閃く

イヤホンからじゃない花火が拍手している

ストーブはいらない

未来地図で充分だよ

私まだ君の実在疑ってしまうから

あの島に一つだけ持っていくなら私って言って

亡者行進の濁点をありがとう

警報はただ五時を報せるためだけに

鳴り響いて

話の続きは

お天気雨たまりの中を見据えて

このかくれんぼは八百長だよね

透明な汗を拭く

回るドアノブ 地球に見立てて

織姫の夢に叫ぶ

君は味のしない西瓜を齧りはじめる

復路の切符をくちびるに挟み捨てて

君はまだあの映画館を私だと思ってる

車道を埋める雪

電線を避けて飛ぶカラス

怪盗みたいな手紙読んで

吊り橋を裂いたスパンコールの觔斗雲

タイトロープで縛って私を絞った果汁を

王子、宇宙船に捨ててきて

いつか夜空を舞うカーマデーヴァ

彼の瞳のコロニー・ゼロを貫いて

探してる消しゴム

これかなって私が問う

一晩中

クローバーの畑

怖いねって君が笑う

太陽の下

私まだ君のフライトの行先になれるかな

苔むす枕に頭を供えて歌うように

凧が一羽で海を渡る

君が水平線に沈む前に

今朝 君が37度なの教えてくれたから

傘を破くほど

怪物みたいに天泣注いで

溶ける真珠を捧げるから

鏡からできるだけ遠ざかって

虹霓を鳴らす錆びたインターホンに指を