夜祭から抜け出して高台の風に涼む
あなたに預けた金魚が
夜空に泳いでいる
祭屋台の灯りが夏星すらも搔き消す
今に世界が終われば
銀河の端は見えるか
彗星に乗れたらなんて
馬鹿馬鹿しいことだって
あなたには話したいよ、我侭かな
いつか夢もなくなって
憧れも消え去って
その時に私も大人になれるのかな
夜祭が終わる頃に
やっと目が慣れた刹那
ほら、南の夜空に明るむ六等星
金魚の跳ねる水音、
山風に消えて数秒
ここが世界の果てなら
何よりもいいのに
彗星に今、跨って
地球[ほし]を出られたらなんて
あなたにも分かってほしいよ、
我侭かな
明日への泳ぎ方って
教わってないよなんて
情けないよ、泣きもしたいよ、
あなたに追いつけなくって
何も失いたくないから
思い出だけが募っていた
誰かの捨てた希望を
拾い上げ空に焚べた
私は袋の金魚だ
どこにも行けやしないまま
第三宇宙速度で
遠ざかるあなたを見た
彗星に乗れたらなんて
馬鹿馬鹿しいことだって
あなたには話したいよ、我侭かな
いつか全て忘れ去って
あなたの顔が滲んで
こんな夜に命が尽きても
痛くはないように
彗星に今、跨って
地球[ほし]を出られたらなんて
あなたにも分かってほしいよ、
我侭かな
音も聞こえない宇宙で
あなたの歌を歌って
探し物を探すの
夏に落とした影を
- Lyricist
98
- Composer
98
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Kingyo Suisei
98
2020年よりニコニコ動画にて活動を開始。 主にボーカロイドを用いた楽曲を発表し活動中。 小説のような歌詞と、どこか陰のある世界観が特徴的。
Artist Profile
98
2020年よりニコニコ動画にて活動を開始。 主にボーカロイドを用いた楽曲を発表し活動中。 小説のような歌詞と、どこか陰のある世界観が特徴的。
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