Lyric

太陽の絵を見た僕は

その眩しさに目を覆った

インクのついた紙が

光るはずもないのに

青い天井はとてつもなく広くて

澄んだ空気がさらに高く見せる

ファインダー越しの世界には

醜いもの一つすらない

光さえ

光さえなければ

追いつかない

届きもしないものばかり求めてはないだろう

あの時の

光さえなければ

あの言葉に あの写真に出会うこともないまま

遠浅の海岸に向けて

投げ出した片っぽの靴

路傍に咲く花は名前も

知られぬまま枯れていく

その美しさよ

光さえ

光さえなければ

目に見えない

触れもしないものばかり求めてはないだろう

あの時の

光さえなければ

あの心に あの景色に出会うこともないまま

吐き出した劣等感を

今しかない数秒間に

鳴らしたこの通奏低音

フィルムに残しても聴こえるように