An untitled painting Front Cover

Lyric

An untitled painting

yuzo kawanami

白亜の壁にもたれたまま

剥離しかけの青を抱く

誰の季節にも属せぬまま

乾いた光を塗り重ねた

額縁の外へ滲み出した

失くしたはずの体温だけ

完成図から零れた線が

まだ行き先を探している

正しさに切り取られるたび

色は静かに沈んでいく

それでも消えない筆触が

夜の底を掻き続ける

値札のない春を抱いて

埃まみれの空を見ていた

誰かのためになれなくても

消えなかった色がある

飾られることのないまま

光だけを覚えていた

名前よりも先に生まれた

その震えを信じている

退色していく街並みへ

群青ばかり流れ込んだ

均された未来の片隅で

歪な鼓動を隠しながら

割れたガラスに映る朝は

どこか他人の顔をしていた

置き去りにされた余白だけが

妙に鮮やかに残っている

意味など後から付くものと

風だけが知っていたんだ

乾ききらない今日の続きを

指先でなぞりながら

値札のない春を抱いて

誰も知らない空へ向かう

欠けた色さえ抱きしめて

ここまで来た気がする

忘れられても構わないと

言い切れない弱さごと

白紙へ還るその瞬間も

まだ描きかけでいたいんだ

  • Lyricist

    yuzo kawanami

  • Composer

    yuzo kawanami

  • Producer

    yuzo kawanami

  • Other Instruments

    yuzo kawanami

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