Lyric

涙のひと粒

頬を伝っていく

心はいつもあとから

遅れてやって来て何かを語りだす

朝のニュースキャスターのように

心の模様は

言葉に包まれて

肝心の何かが見えない

朝の瞬間もコーヒーの匂いも

忘れることなんてないのに

君の涙にさえ

心は動かない

役立たずの僕は

そっとハンカチを差し出す

そう今　僕らの心は

ただそこにそっとあるだけ

それぞれの想いを

かたちにするために

今日も僕らは必死に

前だけを見つめて歩いているんだ

どんな朝もどんな夜も

嘘だらけの街に

紛れないように

想いが変わらぬように

溢れる想いを心と呼ぶならば

それはたやすく消える幻

自分の涙にさえ

心は気づかない

役立たずの僕らは

かすかに歌を口ずさむ

そういつも　僕らの歌は

ただそこにそっとあるだけ

触れることもなく

動かすこともなく

動かされることもない

誰にも汚せない

自分さえもつかめない

そんな無数のかけら

君の涙にさえ

触れることのない

役立たずの心が

ただこの時を　この瞬間を

いつまでも覚えてる

幻のようなその一瞬を

幻のようなその一瞬を