Lyric

夕方5時降りた駅

見慣れた街が

赤く染まるような時間には

まだ早いだろう

夏の風　生温くて

あの頃の部屋寝転ぶ

耳澄まし　目を閉じたら

祭り囃子と君の声

藍色の袖揺らしながら

はしゃいでいる君の手を掴んで

この瞬間を噛みしめたかった

帰らぬ遠い夏よ

虫が歌いだす夜は

君と走った

夏の匂いと切る風だけ

今も恋しい

若い日の思い出だと

君は笑って言うだろう

この街に帰ればまた

その笑顔だけ　しばられて

気付いたら自転車飛ばした

騒がしい人並み　すり抜けていく

ぼんやり照らす提灯のあかり

二人はもうそこに居ないから

滴る汗も気にしないで

がむしゃらに過ごしたあの夏の日

見上げる花火より綺麗なのは

君だと言えなかった

藍色の袖揺らしながら

はしゃいでいる君の手を掴んで

この瞬間を噛みしめたかった

帰らぬ遠い夏よ

その手を今離すよ