Lyric

沈黙

この胸に空いた穴は春模様

花弁頬を撫でて 静かにそっと打たれてく

苦しいのは嫌いと大袈裟に息を

吸って吐いて気付く 雨の匂いがした

人を捨てたい 薄い情だけ持っていたい

口を開けない 黙ったままで生きていたい

誰も知らない 僕だけの世界に行きたいのに

僕はもう 愛してる

なんて言葉言わないから

どうしてる

風が教えてくれるかな

人を捨てられぬ化け物が一人

俯いて歩く 沈黙

ノートと白い部屋の隅っこ

溢れた君の言葉 静かにこっちを見つめてる

空の花瓶 伏せた写真

泣きたくない僕はそっぽ向き烏を見てた

他人を捨てたい 薄い紙だけ持っていたい

何もできない 木偶の坊でも生きていたい

形すらない 言葉なんて捨てていたいのに

僕はもう 愛してる

なんて言葉要らないから

どうしてる

花で答えになるのかな

他人を捨てられぬ化け物が一人

うわずった声と沈黙

人を捨てたい 喜怒哀楽全部捨てたい

他人を捨てたい 記憶なんて全部消したい

嫌いだけどこの苦しさすら愛おしいんだ

笑っちゃうよね

「僕はまだ愛してる」

「そんな言葉要らないから。

何年経ってもこんな話をしてたいわ」

僕ら人間という化け物の一人

口を開ければ 溢れてしまうから

沈黙