Lyric

窓に揺れる　カーテンが

ふいに　笑う声を運んだ

あの日の　午後のような

風のにおいが　胸をくすぐる

やさしい香りと　窓辺の写真

小さな歌が　こぼれてた

聞こえる？　耳をすませば

すぐそこに　いる気がして

手を振るたび　青くにじむ空

笑顔の裏に　こぼれたひとしずく

季節は変わっても　消えないものが

心の奥で今日も　きらめく

風のほうへ　そっと目を細めて

駅までの　坂道を歩く

影がひとつ　足りないまま

だけどつぶやく「ただいま」に

やさしい声が　重なる気がする

夕焼けが少し　沁みるのは

きっとこの空が　広すぎるから

追いかけても　届かないものを

まだどこかで　探しているのかも

覚えてる？　すれ違った風

あれがきっと　気配だったね

呼びかけたって　もう返らないけど

沈む光が　背中を押す

名のない想いが　揺れてる

笑ってるようで　泣きそうな午後

風のほうへ　そっと手を伸ばす

あの日くれた言葉　色褪せなくて

今も心を　照らしてる

「またね」って　聞こえた気がして

空に向かって　うなずいた

手を振るたび　胸が熱くなる

「行ってきます」と「おかえり」が響く

見えなくても　そばにいると

信じてる　今日も変わらずに

風のほうへ　そっと微笑んだ

静かな午後に　風が歌う

消えない風の　ぬくもりで