Lyric

一つの言　戻らぬ綻びに　身を投げ

拉げた籠から薄紅色に還る

揺れ動く朧気な光に苛まれ俤を遺す

終わりのない刻　遡る哀れな心

水面を照り美しく　十六夜にてそっと寄り添う　月の影が

一つの言　戻らぬ綻びに

二つの魑魅　眠れぬ灯火に

明けた空が優しく地を撫でる

夢幻の先に見えた微かな息吹

憂う鼓動　儚き言霊の絡繰り

根を張り　枯れゆく想いよ届け

数多へと微睡む声

聴こえるかな

触れ合えるかな

震えだした龝が

一つの言　戻らぬ綻びに

二つの魑魅　眠れぬ灯火に

濡れた頬を伝う確かな感触

途切れた陰に咲く彼岸花

明けた空が優しく地を撫でる

夢幻の先に見える抓津姫命

明けた空が優しく地を撫でる

夢幻の先に見えた微かな息吹