Lyric

おれとお前らは違う

浅ましい凡夫共

起きて寝るだけで

何も生みだしゃしない

おれとお前らは違う

美学とは無縁の

下卑で低俗な

つまらん有象無象

お前らの頭では

理解はできぬだろう

真の美しさも

真の哀しさも

お前らの尺度では

評価はできぬだろう

おれの能力も

おれの感性も

トラトラトラトラ

闇夜駆け抜ける

トラトラトラトラ

誰かが呼んでいる

トラトラトラトラ

四肢で土掴む

トラトラトラトラ

ウサギ、オウ、タベル

虚影の矜持の狂人

水面に映る醜い虎

これは夢に違いない

何度も否定せども

肉に喰らいつき

口は朱に染まる

ふざけた胡蝶の夢

埋もれゆく礎

いっそ全て忘れて

獣になりきれば

トラトラトラトラ

どうしておれが

トラトラトラトラ

まったく分からない

トラトラトラトラ

おれの苦しみは

トラトラトラトラ

誰も分からない

終わりを知らない白昼夢

詩作に耽る哀れな虎

見果てぬ夢とて

人の証なれば

どうして虎になったか

まったく分からぬわけじゃない

この尊大な羞恥心こそ

おれの内なる獣なのだ

トラトラトラトラ

どうすればいいのだ

トラトラトラトラ

胸を灼く悲しみを月に向かって吼える

飽くまで人で在ろうとした

飽くまで人の肉を喰うた

意識の明滅

おれは人か虎か