Lyric

空っぽ交差点　ネオンの泡が滲む

スクランブルの真ん中　今日もただの点

イヤホン越し　ビートが脈打つ夜

足元だけ見て歩く　視界の端はボケたまま

上から見たら　全部ただのパターン

白線の上を泳ぐ　匿名のシルエット

青になったら　一斉に流れ出す

「お先にどうぞ」なんて　誰も目を見ない

画面の光　プランクトンみたいに

手のひらの中でだけ

渋谷の空気は　薄めたアルコール

少しだけ熱くして　何も感じないように

心拍も予定も　電車のダイヤみたい

遅れないようにだけ　今日も流されてく

ひとりきりでいるのが怖くて

群れの中で溶けるのは楽で

モザイクがかった景色の中

多分　どこかで安心してる

ひとりきりでいるのが怖くて

群れの中で溶けるのは楽で

名前も顔も　ぼやけたままで

それでも　どこかで安心してる

空っぽ交差点　空っぽのまま

今夜も群れに紛れ込むだけ

赤から青に変わる瞬間

僕らはきれいな波になる

空っぽ交差点　空っぽのまま

胸の穴ごと抱きしめてくれ

見知らぬ影と肩ぶつけ合って

一瞬だけ　世界と同じ速さで走る

ビジョンの中じゃ　誰かの成功談

「好きなことで生きていく」　文字だけが踊る

でも改札抜けると　ため息が同期する

同じリズムで　疲れた顔が揺れる

レシートの裏に　書きかけのフレーズ

丸めてポケット　洗濯機で溺れてく

やりたいことも　言えない愚痴も

全部まとめて　夜風に流してる

「このままでいいの？」　って広告が笑う

選択肢だけ増えてく　押せないボタンだらけ

だけどここに立てば　問いも鈍くなる

交差点の真ん中は　思考停止のセーフゾーン

ひとりきりで立ってるくせに

誰かの一部でいたがっていて

バラバラの心が　シグナルで揃う

青の合図で　不安も一緒に跨いでく

空っぽ交差点　空っぽのまま

今夜も群れに紛れ込むだけ

赤から青に変わる瞬間

僕らはきれいな波になる

空っぽ交差点　空っぽのまま

誰のものにもならないままで

すれ違う目と一瞬重なって

名前のないぬくもりだけ持ち帰る

上から見たら　きっと魚群のドローイング

道の形が　ガラスの水槽みたいで

社会という水に　満たされた街の底

息継ぎなしで　今日も泳いでる

沈まないように　笑ってみせる

浮かばないまま　夜に紛れる

それでもまだ　ここに立ってる

次の青を待つ　小さな生き物

空っぽ交差点　空っぽのまま

今夜も群れに紛れ込むだけ

赤から青に変わる瞬間

僕らはきれいな波になる

空っぽ交差点　空っぽのまま

埋めなくていい傷だってある

交差点の真ん中で目を閉じて

世界ごと　ひと呼吸だけ止めてみる

空っぽ交差点　ネオンの泡が消える

スクランブルの真ん中　それでもまだ立ってる