Lyric

ポケットの中は

破けたレシートと小銭だけ

クラクションが鳴る

ぼやけた僕の輪郭を書き殴るように

声は言葉を成さず

ただ宙を舞って消えた

飽き飽きなんだよ

見えないよ見えないよ

繋がれない僕はもう亡霊さ

触れられない手を掴んでくれ

とりつく島もないままで

目の奥に映っていたのは

オレンジ色の街灯が照らす

人気のない真夜中の街で

夢と現の合間に

溶け出してしまうのが怖くて

ナイフを持てないのは

消えかけの僕に実体がないから

こそいだ顔を探し出してくれ

これじゃ ジョークも飛ばせないよ

未完のランドスケープ

どこにも帰る場所がないのなら

希望も全部吹っ飛ばせれば

楽なれるのかな

叩きつけるように

あるいは吸い寄せられるように

割れた靴底を鳴らす

継ぎ接ぎのコートが靡いた

消えないよ消えないんだ

まとわりついた希望をどうしようもないまま

おかしくなった僕を笑ってくれ

特大のジョークだろ

雨が降る街の中で

連鎖した悲鳴の真ん中

一人、笑っていたのは