某月某日
京都市右京区
自転車漕いで
遠くまで来た
長閑な町に夕日が浮かぶ
下校の生徒とすれ違う
広沢池は安らかで
無念と寂寥が水面に溶ける
心地のいい帰りの夜道
明日も静かに火を灯そう
ところ移って
谷町九丁目
ライヴ喫茶亀の中
クリスタル大坪
広沢池のような静寂が
客席全体に広がってる
何言ってるか全くわからない
理解の外側の言葉の応酬
すると
いきなり場外ホームラン
沈黙が裏返って形勢逆転
御年74歳
大阪の伝説のインディーズ芸人
クリスタル大坪は不遇の天才だ
ゴッホの向日葵のよう
日の目を見ない
ゴッホより普通に普通が好きな
奴らでまみれてるこの国で
一体俺は何を残せる
俺の作品は理解されるのか
そんなこと時々考えるけど
本当はそんなの言い訳で
クリスタルさんみたいに
どデカい一発
ドカンとかませばいいだけで
何食ってどう生きたらああなるのか
原理も原則もへったくれもねえ
ゲージを溜めて芸術が爆発
別の地球
まるで宇宙
舞台に姿を現しただけで
何故か笑いが起こる
クリスタルさん
当然のように爆発させて
颯爽とその場を去る
クリスタルさん
誰よりもウケてるのがクリスタルさん
でも誰よりもスベッてるのもクリスタルさん
普段は相川のアパートで
静かにひとりで暮らしてるクリスタルさん
20代は本当に碌でもなかったとか
俺がごちゃごちゃと御託を並べてる間も
74歳のクリスタルさんは
何ひとつ諦めずにひとりで舞台に立ってる
俺はなんて情けねえ奴だ
ご自慢のタフネスもご破産だ
面目ない
立つ瀬がない
全部自分次第だろ結局な
右京区の山に夕日が沈む
南区の夜空に月が昇る
ライヴ喫茶亀で出囃子が鳴る
クリスタル大坪が姿を表す
今日だって俺は流れついた町で
変梃な暮らしを続けてる
クリスタルさんの意味不明な下ネタで
客はゲラゲラと笑ってる
- Lyricist
TAKU THE 1460
- Composer
TAKU THE 1460, BEATBANK
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