Lyric

しあわせな夢の　世界の奥に

沈んでゆくほどに

目が覚めないようにと　祈っている

性懲りもなく願っている

色褪せた映像をもう一度って

手を伸ばしても　触れられないのに

微睡みの中

かすかに覚えている

何よりも大切だったはずの

歪んだ記憶

ああ　全てが瞞しの世界なら

せめて今だけは　しあわせで居させて

ああ　鈍色と褐色に繋がれて

躓いて　前に進むことさえ

出来なくなってもまだ

此処に　一生縋っている

しあわせの定義さえ

何時迄も　見つけられないままに

季節だけが　過ぎ去ってゆく

ずれてゆくほどに　これが正解だって

自分に言い聞かせている

本当はとうに　気づいているのに

泡沫のように

いずれは壊れてゆく

半分は虚構で出来ている

箱庭の中

もう別れの　鐘の音が鳴っているけど

せめてもう一拍だけ　ここに居させて

ああ　輪郭が滲んで薄れてゆく

一度だけ交わった後

二度と出会わない線の上を

ずっとずっと歩んでゆく

消えてゆく夢は無意味なの？

存在しないのと同じなの？

言の葉は空に溶けてゆく

枯れた地の水のような

僅かな欠片を　集めている