Lyric

君と歩いてたあの道すぎるたび

頭の中ではあの頃の二人。

真冬というのに海へ足を運ぶのは

君の思い出を塗り替えてやるため。

君は抱えてたあの頃の思い出

強く握りしめ海へ投げ捨てたの。

いいの？わざとらしく尋ねると。

私、あなたと出会えたから

刻まれた辛い過去ですら

今あなたに巡り合うための

布石だったんだ。

君は頬を赤らめてそう言った

そんな君を見てたら

少し申し訳なくなってしまった

僕がいたんだ。

て、そんな歌詞綴れば

あの冬に戻れる気がして

君が嫌いなバンドマンになった。

雪も解け始め少しずつ開く花が

目に入るたびにあの冬がよぎるの

近頃の僕は君がいる街を離れ

一人、空見上げてあの夏思い出す。

君もこの空を眺めているかな

僕が見る空にあの星は見えない。

だけど確かにそこにあるだろう。

僕が君と眺めた星は

閉ざされた暗い過去ですら

照らしてくれるような気がして

好きだったんだ。

アクリル絵の具みたいに思い出は

こびりついて取れずに

水を差さなければ

ずっと離れず傍に居れたんだ。

て、そんな歌詞綴れど

あの冬に戻りはしなくて

君が嫌いなバンドマンになった。

草木が枯れ始めた街で

偶然見かけた君の姿

隣には僕より背の高い

知らない誰かだ。

髪も服も靴もメイクも

それじゃ君に似合わないから

あの頃のように僕の傍で

笑ってくれないか。

僕の降り積もるこの雪は

あの頃の冬と同じだけど

知らない誰かが溶かしてしまえば

気付けないよな。

あの頃に戻りたいからさ

この歌を届けたいからさ

僕は今、君が大嫌いな

バンドマンなんだ。

さよなら。

もしもこの曲が流行っても

君は聞かないでね。