

夜の端を折りたたむように
小さな台所 灯りがともる
乾ききらないシャツの袖に
昨日の雨がまだ眠ってる
テーブルの隅 クレヨンの海
へたくそな船と丸い太陽
ポケットにしまったままで
知らない街へ漕ぎ出した
時計はいつも 急ぎ足で
追いつけない波をつくるけど
掌に残るぬくもりだけが
沈みかけた帆を持ち上げる
片翼の航路を 風に預けて
うまく飛べない日も 空を見失わない
片方の手には まだ白い地図
もう片方には 帰る灯り
遠い水平線を 指でなぞれば
届かない青が 胸を焦がす
名前のない明日へ 舵を切るたび
背中を押す波が 増えていく
昼の交差点 途切れた雲に
投げた言葉が戻ってこない
冷めたコーヒー にじむ書類
季節だけが先を急ぐ
閉じかけたノートの余白に
何度でも描いた小さな旗
破れたページの向こう側
まだ消えない島がある
ひとりで漕ぐには 長い夜も
岸から届く笑い声が
ほどけたロープを結ぶように
心の舟をつないでくれる
片翼の航路を 風に預けて
追い風じゃなくても 進める日がある
窓辺に揺れる いくつもの灯が
迷う足もとを照らしてる
遠い水平線を 指でなぞれば
届かない青が 胸を焦がす
傷だらけの今日を 重ねた先で
まだ見ぬ朝焼けが 待っている
「もういいか」と 海に問えば
波はただ 足跡をさらう
それでも砂に残る熱を
誰かがそっと拾い上げる
重たい雲の切れ間から
ひとすじ光が落ちるように
あの日の約束は今も
胸の奥で旗を振っている
片翼の航路を 風に預けて
何度沈みそうでも 空を選びたい
片方の手には 守りたい星
もう片方には 消せない火種
遠い水平線は 逃げないから
急がなくていいと 朝が言った
帰る場所を抱いて 夢を抱いて
不器用なままで 漕いでいく
片翼でもいい
風を待つ夜があってもいい
灯りの数だけ また進める
この航路の先へ
- Lyricist
Vanps
- Composer
Vanps
- Producer
Vanps
- Background Vocals
Vanps

Listen to Flight Path of a One wing by Vanps
Streaming / Download
- ⚫︎
Flight Path of a One wing
Vanps
家族を愛しながら、自分の夢も諦めない。
妻と子供の待つ帰る場所を胸に、一人の父親が自分だけの航路を進んでいく。
うまく飛べない日も、風を待つ夜もある。それでも、守りたいものと消せない夢を両手に抱え、不器用なまま前へ進む。
「片翼でもいい。風を待つ夜があってもいい。」
これは、家族と夢、その両方を抱えて生きる人のための航海の歌。
