Lyric

粘り気のあるうねりが背後からまとわりつき呼吸と共に体内に入り込み

荒れた海のように自尊心の高い独房のような個人となり

やがて血潮となって体外に放出され天に召される頃

脳みその右大臣からハンコが押されそれをもって嬉しそうに見せびらかしているうちに

我一人炉端の灰になりにけりにせり

あらゆる物体は万有の引力には抗えず時として音もなくつぶれたり筋肉痛になったりするのだけども

気体になってしまえば天上の使いのごとく

僅かな空気の中でも浮遊できるという事を目の前の夕焼けゾンビが延々と言う

その時俺の背後は夕日だったものだから必然的に口をついた言葉は

「オレ達の国境は地平線さ」

野生の中にある美しさに気づきそれをみずみずしい言葉で形にし発表したのは

科学者ではなく文筆家であったというおどろき

そしてその面白さは新しい性の発見であると同時に生への発見でもあったのだと思う

2020年7月25日

十代の中ごろからずっとつらい思いをしてきた彼女はそのことを誰にも言えず

誰かが助けてくれるともいつか助かるとも思えなかった

そして自らの手を汚したんだ　murder

座りなさいよね座りなさいよねって強権的な女がギロチンパンチを振りかざすもんだから

「ふうんそれじゃあやってみたら」って言ったら「もっともっともーっと痛くなっちゃうから」って

「それじゃあオレだって言ってみる言ってみるったって言ってみるんだから」

「へぇーそれはすごいすごいことしたね」

虚空を見つめるアザラシの目をした子供が「顔がベタベタじゃむおじさんだねえ」って

「ううん違うよオレはねえ変則的に言うとバイオマンだよ三年続けて鼻の下でクワガタの幼虫を孵化させたバイオマンだよ」

彷徨い続ける島の人口を司るバイオマン　我関せずしかし子供たちは遊んでいる

そうあいつの肌はザラザラサラダ　ツナサラダ　シーザーサラダ

「おみゃあらたわけたこと言っとると河童に尻子玉抜かれてまうどぉ」

母さんが寝た後で始まる葉っぱタイム

そしてその後にやってくるハンバーガータイム

もう肥えて肥えて足がつりそうだよイッタイ

狼煙が一筋月まで届きそうだったってシャイン

ころころ変わる心模様は人間模様　喜怒哀楽にそよがれながらシャイン

陰影に乏しい現代の手帳に書かれた人間心理に媚びない伸びないニオイを擦り付けることにより

自らの主観を生かしたコトバを操ることに成功した避難民たちは

そのニオイを大事に大事に大事に伝えてなくならないように歌にしたのさ

出来ればそこに流れる旋律になりながら　ラララララララ　いきたいんです

この丸い地球で　この丸い地球で　この丸い地球で