Lyric

君が夕暮れを背に欠損していく夏

また停止している精神

いつの間にか啼き方を変えた蝉

押し殺してた誰かへの羨望すらも

愛おしくなってる日々は不健康

幼さが被膜に覆われた瞳

涙の香りを纏う潮騒

何かを頼りに生きる人波

明日は肌寒い

きっと失望すらも終わって

満たされなさを笑っていた映画のシーン

陽は沈む

救われない結末でも構わない

花火の残像に目を奪われ

震える声を隠して

空が藍色を燃やして

冷えた血潮は巡って

煙は黒く昇って

すべて焼き付いた光景

閑静にカモメが鳴いて

皮膚に伝わせる汗

いまも消えない過去の影

ただ朝から晩まで泣く

大丈夫

防災無線が町を矯正していく

葉擦れの音に心臓が急く

もう許されない自分を

せめて忘れないように毎日を責めて

一生懸命を履き違えて

心を置き去りにしてはまた反省するなって

関係ない家の灯りが点いて得る

寂寥感で奪われる安定

夜は長くて

それから待ってる朝が怖い

起伏のない稜線は続いて

火の粉は空へと散って

君は変わらないままで

夏は終わって

震える声を隠して

空が藍色を燃やして

冷えた血潮は巡って

煙は黒く昇って

すべて焼き付いた光景

閑静にカモメが鳴いて

皮膚に伝わせる汗

いまも消えない過去の影

間違い探し続けて

海が耳鳴りを止めて

惜別が髪を逆撫で

静寂は風に湛えて

すべて離れない光景

線香の火が漂って

閉じる瞼の裏で

映ってはもう泣かないで

気が触れそうなこの町で

笑って

腫らす眼

浅葱の布で舞う姿はまるで陽炎

焦燥さえも思い出

遠くの瓦礫の麓で

すべては焼き付いた光景

いまを見せない過去の影