Lyric

出る杭は「打たれる」なんて昔の話

今は「抜かれる」

それはまるで親知らず

「痛い」ってだけでほら嫌う

糸に必ず限りあるように

独りにしてほしい時も多い

だから鍵かける玄関

暇もなく繋がり合う電波

六畳一間が雑踏

孤独になれない環境

開くiPhone　見るかストーリー

部屋ン中　他人が素通り

してるような感覚　頭錯乱

人叩くバカ感情はアンジャッシュ

電源ぶっちぎった正午

だがすぐに手元、スマホが「どうもｗ」

おい、オレにいいねをよこせ

オレにいいねをよこせ

どれがイケてる？どれが盛れてる？

いいねいいねいいねいいね

おい、オレにフォロワーをよこせ

オレの生活をみんな見てくれ

1個じゃ足りねェサブ垢作って

サイコーいいね気にしてく人生

中学の頃にスマホゲット

そっから常に空にならんポケット

そこに違和感感じたから

映えねェ部屋独り詩を製造

けど結局やめらんねェ

まだ抗ってる毎日

だがバカげたあの頃戻りたくねェな

いいねの奴隷、思い返せば

あん時友達といても齧ったスクリーン

気にした写真写り

「会ってる時間？大切にしないｗ

だってどーせ後でLINEするしｗ」

久しく樊籠の裏に在るも

復た自然に反るを得た

明日には消える即席のアート

じゃないストーリー＝足跡で圧倒

この曲で自分を戒める

けどオマエにも刺さる気がしてる

他人事で済ますなよ

まあ耳、塞ぎたくなるか

艱難辛苦に圧し殺されど

自己との対話からは逃げるな

安いポエムで他人にシェアすんな

沈黙こそが人を作るんだ

孤独だからBeReal

自分信じた分がオレらの品になる

インスタントな繋がりはいらねェ

ふやけた麵じゃ腹が満たされねェ

写真映えする観光名所より

カバンの中一冊の書

それ持って牧場で読書

まさにオレの性に合うロケーション

なあ「時間経つとそこに芽が

"出てくる思い"」こそが"思い出"だ

写真アップして終わりじゃなくて

胸にしまって育てろ　オレもう

ねェんだよいいねや暴露に興味

カスを非表示　やる文字通り

枕頭の書はカミュの『異邦人』

心臓、鼓動、覚悟、自尊心