Lyric

忘れられないまま まだあの頃のまま

麦わらから覗く 横顔を

また夏に映して 呼び起こす記憶に

歳月が隔てた 想いを抱いてる

「傍にいるから、もう泣かないで。」

君の声で そう言って欲しいだけなのに

遠くで 今も聞こえる 夏の日の蝉時雨

戻れない思い出を 両の手に抱きしめて

失くさない様にと 汚さない様にと

また一人立ち尽くす

気づけば僕もほら 声も低くなって

大人になる君は 綺麗かな

叶わない願いに 押し潰されそうで

出来ればもう一度 君に会えたら

「大好きだから、もう泣かないで。」

今なら言える だけど声は宙を舞う

遠い記憶の中で 滲むあの日の言葉を

取り返す事は出来ないと 思い知る夏

もう愛してないとか 裏返す言葉で

傷つけていたんだね

照れ隠しが刃へと

君はきっと痛かっただろう？

君が逝ったあの川は 渡川になった

遠い記憶の中の 花の名前を知らない

鬱ぎ込んで君の声に気づけずにいた

愛してるだとか あの日のごめんねを

欲しかった訳じゃないんだね

遠くで 今も聞こえる 夏の日の蝉時雨

居る筈のない君を 両の手に抱きしめて

もう無くさない様にと 忘れない様にと

想いを朝の陽に叫ぶ