Lyric

頬を撫でる一筋の 過ぎるだけの風のように

誰の言葉も掴まずに 聞き流していたい

肌を打つ幾千の 雨粒が落ちるように

ただ時間のまま 呼吸を続けていたい

望むのはそれだけ それだけでいいから

連れていって 何処かへ

できれば声の届かぬ所まで

喧騒に酔って何もかも

汚れて見えてしまう前に

きっとこれはディストピア

笑っていたいだけなのです

連れていって　何処かへ

誰かの言葉が今も 胸を抉ったままで

捨てたり 拾ってみたりして 呼吸はまた乱れて

愛しいものだって　ずっと前に靄が隠していて

理想郷なんて とっくに壊れていたけれど

望むのはこれだけ これだけの筈だから

連れていって 何処かへ

あなたの声が遠くなっていく

それに目を瞑ったまま

何度も 何度も 呟く

それでも何処へも行かずに

絶えず生きるのはディストピア

此処でしか手は　繋げない

知っているよ　そんな事

痛みは副作用でしょう

知っているけど　此処だよ

何処へも行かないでよ

連れていって あの日へ

僕らがただ笑っていたあの日へ

当然もうわかってるけど

何も戻ってきたりしない事

それなら せめてこの場所で

密かに望むユートピア

手を繋いでいてくれますか