

あの頃の夜だけ、
時間の進み方が違った。
坂道の途中で立ち止まって、
息を切らしながら空を見ていた。
街の灯りが遠く揺れて、
世界が少し広く見えた。
「このまま大人になるのかな」って、
君が小さく笑ったあと、
答えなんて探さないまま、
しばらく風の音を聞いていた。
何かを手に入れるより、
失いたくないものばかり増えていく。
あの頃の僕らはまだ、
それを言葉にできなかった。
永遠なんてないこと、
本当は少し気づいていた。
あの夏を、まだ終わらせたくない。
君の横顔が夜に溶けていく。
何者にもなれなくても、
あの時間だけは本物だった。
未来ばかり見なくていいと、
あの日の風が教えていた。
二度と戻れない景色ほど、
胸の奥で消えずに残る。
始発前の静かな駅で、
眠そうに寄りかかっていた肩。
話は途中で途切れたまま、
沈黙だけが続いていた。
でも気まずさなんてなくて、
隣にいることが自然だった。
失う瞬間が来ることなんて、
あの朝には想像していなかった。
薄くなっていく空の色を、
並んでただ見上げていた。
何かを誓ったわけじゃない。
それでも、忘れられなかった。
続かなかったことまで、
今は綺麗だと思ってしまう。
あの夏を、まだ終わらせたくない。
言えなかった言葉が残っている。
大人になるたび少しずつ、
遠くへ離れてしまっても。
ちゃんと笑えていた夜を、
心だけが覚え続けている。
失ったあとで初めて、
大切だったと気づいてしまう。
「また来ようね」って、
君はたしかに言っていた。
叶わない約束だなんて、
あの時は思わなかった。
季節は静かに変わって、
街も違う景色になった。
それでもあの夜だけが、
今も時間の中で止まっている。
あの夏を、まだ終わらせたくない。
朝焼けの中に君が残っている。
叶わなかった未来も全部、
今なら愛せる気がしている。
遠くへ進んでしまっても、
もう隣を歩けなくても、
確かに同じ季節を生きたことが、
僕らを作っていた。
あの夏を、まだ終わらせたくない。
心だけが、今もあの日を見ている。
波の音が聞こえるたび、
少しだけ夏を思い出す。
- Lyricist
YxY
- Composer
YxY
- Producer
YxY
- Vocals
YxY

Listen to I DON'T WANT TO LET GO OF THAT SUMMER YET by YxY
Streaming / Download
- ⚫︎
I DON'T WANT TO LET GO OF THAT SUMMER YET
YxY



