Lyric

入道雲が　崩れていくのを 錆びたバス停で　ただ見ていた 君の嘘は　ラムネの瓶の ビー玉みたいに　綺麗だったね 「ずっと一緒」と　言った口元が 陽炎（かげろう）に揺れて　滲んで消える 都会の空は　狭すぎて あの日の匂いも　思い出せないや

神社の裏　秘密の抜け穴 大人になれば　塞がれる道 蝉時雨（せみしぐれ）が　全てを隠して 僕らは　永遠のふりをした 幻でもいい　夢でもいい その手を離さなきゃ　よかったな

晴れているのに　雨が降る おかしな空だね　狐の嫁入り 君が笑うなら　化かされてあげる 枯葉（かれは）のお金で　愛を買おう 祭り囃子（ばやし）が　遠くで響く 戻れない季節（とき）を　あざ笑うように 頬を濡らすのは　雨のせいだよ そういうことにして　歩き出そう

アスファルトから　立ち上る熱 ビルの隙間で　迷子の風 誰かの言葉を　借りて喋って 上手く笑うのも　板についた 古いアルバム　開く勇気もなく コンビニの明かりに　吸い寄せられる 僕の正体は　何だったっけ？ 鏡の中の眼が　問いかける

夕暮れ時は　誰そ彼（たそがれ）時 人か魔物か　分からない影 「さよなら」なんて　言わないまま 君は　茜色（あかねいろ）に溶けた 追いかけても　追いかけても 届かない場所へ　行ってしまった

晴れているのに　雨が降る 涙雨（なみだあめ）だね　狐の嫁入り 幸せな嘘で　騙し続けて 痛くないふりも　上手くなるから 指切りげんまん　嘘ついたら 針千本飲ます　約束の代わりに 僕はこの胸に　棘（とげ）を刺したまま 大人になって　生きていくよ

晴れているのに　雨が降る 最期の天気雨　狐の嫁入り 君が笑うなら　それでよかった サヨナラ、僕の　愛しい幻 祭り囃子が　止んだあとで 空を見上げれば　虹が架かる 化かされたままで　いたかったな そんな独り言も　風に消えた