その扉の奥 消えない傷
封しよう そうしよう 触れない
そう、あの日から。
喉まで出掛かる いえない傷
今日言おう そうしよう 絶対
ねぇ どうして…?
声が 煙みたい 消えていく
こうして 今日も
昨日までの繰り返しだ
本当はね、わかってた
今のままじゃ伝えられないって事
過去の私と向き合う
それが先だって事
12月1日 金曜日
お父さんから欲しいものを訊かれた。
「わかんない」って答えた。
お父さんのこういう露骨でわかりやすいところは昔からだ。
12月6日 水曜日
お父さん宛に荷物が届いた。
中身はわからないけど、何に使うのかは見当がついた。
12月12日 火曜日
夕食の後、お父さんの部屋に呼ばれた。
「明日から出張でいないから、1日早いけど」
そう言って誕生日プレゼントを渡してくれた。
中古っぽいジャズのレコードとそのプレーヤーだった。
ジャズはまだちゃんと聴いたことがなかったし、本物のレコードなんて初めて見たから凄くドキドキした。
12月13日
あの日は朝から最高の気分だった。
誕生日プレゼントのレコードは私に革命をもたらした。こんなに凄い音楽があったなんて!
私は昔から熱中すると周りが見えなくなるタイプの人間だった。
隙あらば、クラスメイトにジャズとレコードの素晴らしさについて語って聞かせた。
本当に最高の気分だった。
そう、あの瞬間までは。
下校途中、クラスメイトが数人で談笑しているのを見かけた。
こちらには気が付いていない。
後ろから話しかけようとしたその時
聞いてしまった。
本当はね、わかってた
押さえつけてもいつか溢れるって事
過去の私を強く抱きしめて言った
本当はね、わかってた
キミは私と切り離せないってこと
過去も全部含めて
それが私なんだ
本当の私が
今度こそ君に
- Lyricist
higateru
- Composer
higateru
Listen to Since that day (feat. KAFU) by higateru
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