Lyric

夏が来る度に思い出す

あの街のそびえ立つ雲

ここにはいない君のこと

青色の夏の気配に

未だある傷と後悔

もう戻らない君の

風と日差しが反射して

靡くあの髪が綺麗だ

夏が迫ってくる焦燥

ただもう一度君の声が聞きたいのに

それすらも叶わない

君から貰ったこの傷だけが思い出だ

映る魔法が溶けきるその日まで

エスパーサイダー

一人だった僕の前に君が

蜃気楼の如く現れた

凛と佇むキンセンカ

君は思慮思考が見えているみたいで

それはまるで超能力のようだった

夏の暑さでもまだ

溶けきらない心を

君の笑顔が拐っていった

夏が迫ってくる

焦れる僕を追い越して

君との予測不可能なあの夏が綺麗だ

蝉の音と汗が終わりへと走る

青くときめきはじける

あの夏はエスパーサイダー

墓石に刻まれた君の名前を眺めるのも

今年で何度目だろう

君の致死性の願い叶えた僕を

どうか許さないで

夏が狂っていく

青空裏腹にくすむ

君を奪い去ったあの夏が嫌いだ

君が自らの時間を止めた日に

僕ら最初で最後の口付けを交わして

笑顔な君の首を絞めた

暑さと君が僕を抜き去った

僕の手中で

君の彩度が

君の濃度が

君の温度が

消えていって

他人事のようにただ眺めていた

横たわる君と夏が止まっていく

君が終わっていく

戻せないテイク

時は進んでいく

夏に囚われて空

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