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サイケデリックでノイジーなハイパーポップサウンドにのせて、リズミカルな「韻」と共に女言葉でキャッチーにうたわれる本作は、まさにコロナ時代の「恋歌」である。曲中で、依存体質のメンヘラ女子の愚痴は、はじめは閉鎖的な悲しみの方へ向かうかのようである。ところが、彼(女)のイライラは徐々にハイピッチの強気女子とのハーモニーへと変化し、最終的にはホップ・ステップで恋愛テロ行為にまで及ぶほどのエネルギーを獲得していく。「ハイパーポップ」というジャンルはLGBTQ+のコミュニティとの親和性の高さでも知られているが、『爆弾少女』はサウンドの面でも歌詞の面でもそれまでの紋切り型の女性のイメージ、「性別」の呪縛をぶち壊す。性別を超えて、パンデミック下でイライラしている全人類にTok10とウ山あまねが投下する「若者エネルギー」でつくられたクラスター爆弾。これまでのJ-POPの概念をくつがえす新世界J-POPともいうべき完成度の高い作品である。