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「ラッパーにビートを提供してみたいんですよね」と駱駝法師。「やったことがないようなビートでやってみたいです」とfuzzy。東京のボカロP、新潟のラッパーと住んでいる場所も活動するフィールドも全く異なる二人は、新潟の音楽ライターのアボかどにその思いを口にしたことをきっかけに異色のコラボを果たすこととなった。
両者を繋いだアボかども交えた三人でリモート会議を重ねて作り上げた本作は、それぞれが持ち寄ったアイデアを詰め込んだ情報量の多い一枚だ。camelotsこと駱駝法師のビートはどれも一つの形に留まり続けることを拒み、fuzzyは歌とラップの中間を泳ぎながら声に込めた感情を瑞々しくビートに落とし込む。両者のこれまでの作品にはなかった要素が混ざり合い、野心的でいてポップな作品に仕上がっている。
本作に収録された三曲は、全て方向性の異なるものだ。オープニングの「RESPAWN!」では、デフォルメされたギターの音を使ったフューチャリスティック・スワッグがシンゲリと交差。駱駝法師もマイクを握る「DON’T MIND!!」ではスロウダウンしたハウスのドラムを改変し、フューチャーベース的なシンセを加えて高揚感を演出している。ラストを飾る「FREE!!!」では、感傷的なギターを焼けるシンセに合わせたエモーショナルなレイジビートが終盤にドラムンベース化。fuzzyの一人称のリリックのエモーションを多様な形で引き出している。
ミックスとマスタリングはcamelotsが担当。アートワークは新潟のイラストレーターのあんなすが制作した。東京と新潟を縁とインターネットが繋いで生まれた、再出発して自由へと向かう三曲。ボカロとヒップホップの両シーンに新たな刺激を持ち込む、解放感のある一枚だ。
新潟を拠点に活動する2001年生まれのラッパー。新潟最大のヒップホップパーティ「AGLEE」ではレギュラーメンバーとしてステージに立つ。2017年頃に活動を開始し、客演やシングルの発表などを重ねた後に2024年には初のEP「NANKO」をリリース。自身の立ち位置や内面を見つめたストレートなリリックを、声に豊かな感情を込めて歌い上げるエモーショナルなラップスタイルを聴かせる。新潟のクラブ「club SEVEN」スタッフや地元ラッパーの制作サポートなども務めており、街のアイコンとなるべく多角的な活動を行っている。
2001年生まれ、東京都町田市出身のボカロP/コンポーザー「駱駝法師(らくだぼうし)」のソロプロジェクト。 音楽文化に幅広く精通する知識をもとに、様々なジャンルを融合したカオティックなサウンドを作り出す。 人間である自身とVOCALOIDとのラップデュオといった他に類を見ない独自の美学を貫きながらも、メジャーレーベル等の企画への楽曲提供、ゲームのBGM・サウンドデザインなど商業の分野でも活躍している。
fuzzy&Camelots