

錆びた自転車 倒れたままで
誰かの影だけ長く伸びてる
信号待ちの人波を抜けて
知らない匂いに振り返った
君によく似た季節だった
名前を呼べば壊れそうだった
くだらないことで笑ったこと
なぜかそれだけ忘れられない
記憶なんて曖昧なくせに
匂いだけ妙に正確で
何年経った? わからない
でも一秒で巻き戻される
交差点 雑踏 夕暮れの街
似たような影をまた目で追った
違うってわかって また笑って
忘れたはずって誰に言ってんだ
季節は勝手に先へ行く
僕だけ少し取り残される
No way back, I know that
それでも君がまだ消えない
風が吹くたび 街のどこかで
あの日の僕らが息をする
忘れたふりだけ上手くなって
今年も秋がやってきた
金木犀が咲いていた
それだけなのに君がいた
もう会えないと知ってるくせに
心は勝手に振り返る
言えなかった言葉ばかり
どうして今さら綺麗なんだ
甘すぎる風にむせながら
君のいない秋を歩いてる
夕焼けを踏んで帰る途中
コンビニの灯りが滲んでいた
ポケットの中 冷えた指先
行き場もなく握りしめてる
あれからいくつ季節を越えて
僕も少しは変わったけれど
君が好きだった歌を聴けば
あの日のままで立ち尽くしてる
Play it back また同じフレーズ
イヤホン越しに戻るあの日へ
消した写真 消せない場面
頭の奥じゃまだ鮮明
「元気かな」なんて馬鹿みたいだ
今さら何を期待してんだ
君には君の今日があって
僕には僕の今日がある
That’s alright
わかってる
時間はちゃんと進んでる
なのに秋の風ひとつで
簡単に全部ひっくり返る
忘れることが大人なら
僕はまだなれそうにないな
幸せだったか なんてことを
今さら測ってどうするんだろう
それでも確かに君がいた
それだけは嘘にしたくない
金木犀が咲いていた
知らない街にも咲いていた
君だけ置いてきたつもりなのに
僕だけ何にも置いてこれない
叶わなかった恋だから
こんなに綺麗に見えるのか
答えのないまま風が吹いて
また君の季節になっていく
もしもあの日に戻れたって
きっと同じことをするだろう
言葉にすれば終わりそうで
黙って君を見ていただろう
それでよかった
わけないのにな
Back to that day
Back to that night
戻れないくらい知ってるよ
What did I want?
What did I lose?
答えなんてもういらない
君がいた
僕がいた
たったそれだけだったのに
言えなかった
言わなかった
その違いだけ残ってる
So let it go
Let it go
……できたら苦労しないよな
金木犀が咲いていた
君のいない道に咲いていた
忘れることが答えじゃないと
今なら少しわかる気がする
さよならさえ言えなかった
僕らはどこへ行ったんだろう
甘い匂いが消えるころには
また普通の日々に戻る
それでも秋が来るたびに
君を一度だけ思い出す
- Lyricist
HIDEHIKO NAKAMURA
- Composer
HIDEHIKO NAKAMURA
- Producer
HIDEHIKO NAKAMURA
- Vocals
HIDEHIKO NAKAMURA

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IT WAS NEVER ENOUGH
HIDEHIKO NAKAMURA



