Beyond That 'Bye' Front Cover

Lyric

Beyond That 'Bye'

Kotatsu Tachibana

改札前の照明が

冷たい床に丸い輪を描いている

あなたはいつもの調子で

今日の話を軽く締めくくった

喉の奥に、小さな鍵穴ができる

そこに言葉を差し込めずに

息だけを飲み込んだ

同じ電車、同じ車両、同じ景色

違うのは心臓の打ち方だけ

窓の外に滲むビルの明かりを

視界の代わりにしてごまかした

あなたの何気ない一言が

今日はやけに近く感じて

肩に触れていないはずの距離まで

じんわりと熱を帯びていく

強くなることも

嘘をつくこともできなくて

この近さの名前を

まだ決めたくないままでいる

「じゃあね」の奥に

飲み込んだ本音がたまっていく

「またね」よりも少しだけ

先の季節を願うような響きで

あなたに気づかれない程度に

声を柔らかくしてみる

それだけで 精一杯の・・・

精一杯の・・・ 変化だった

改札を抜けたあとの階段で

振り返るたびに見える人混み

その中からあなたを探してしまう自分が

少しずつ怖く、でも愛おしい

ホームの風に押されるみたいに

一歩ずつ前に進む靴音

足元はちゃんと地面を踏んでいるのに

心だけがまだホームに残っていた

簡単に進めるなら

こんなに迷っていない

失くしたくないものほど

手に取るのが怖くなる

「じゃあね」の奥に

言えなかった言葉が眠ってる

たとえば「ありがとう」とか

「今日も楽しかったよ」とか

並べればありふれた一文が

どうしてこんなに重くなるんだろう

改札を出た瞬間に

また心に鍵をかけてしまう

あなたが急がせずにいてくれること

それが一番、心を落ち着かせる

「待つよ」という言葉より

何も訊かない沈黙のほうが

ずっとやさしいと知った

「じゃあね」の奥に

私だけが知っている冬がある

明日もきっと、同じ言葉を

少しだけ違う響きで渡すんだろう

こぼれないように、落とさないように

指先で包むみたいに口にして

いつかその先に続く二文字を

ちゃんと届けられるように

駅を出た途端、吐いた白い息に

小さな「また明日」を混ぜてみた

  • Lyricist

    Kotatsu Tachibana

  • Composer

    Kotatsu Tachibana

  • Producer

    Kotatsu Tachibana

  • Vocals

    Kotatsu Tachibana

  • Songwriter

    Kotatsu Tachibana

  • Programming

    Kotatsu Tachibana

Beyond That 'Bye' Front Cover

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    Beyond That 'Bye'

    Kotatsu Tachibana

"Ja ne, no Oku ni (Beyond That 'Bye')" is the tenth song in the "Advent Story" series, told from the girl's point of view.
At the ticket gate, she says a casual "ja ne (bye)," while quietly hiding words like "thank you" and "I had a great time today" behind it-feelings that slowly pile up inside her chest.
Riding the same train home at the same time every day, she gently faces the changes in her own heart, wishing that one day she'll be able to let the real words that come after "bye" slip out. A delicate winter love ballad about the warmth that quietly lives inside everyday goodbyes.

Artist Profile

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