Lyric

宵闇の超高層ビルの屋上に立つ

月明りから視線を下に向けてみる

吹き上げる渦のような風に吸い込まれそう

その時　脳裏をよぎるピュアな情動

いくつもの明かりが往来するジオラマ

人の波に埋もれてしまうような

足掻く様に泳ぎ　疲れた自分は

都会の海に浮かんでいるだけ

はじける炭酸のように上手く笑えたなら

昨日のピエロのように上手く踊れたなら

ピンボールみたいに弾かれて飛び出しそう

雑踏の果てに　自分の足音だけ

流されるまま足を踏み入れた場所で

もう未来が描けなくなって

でもまた優しい素振りを見せるんだろう？

都会の街に染まれないだけ

ネオン街を向こうに見る高架下

どす黒いネズミの疾風の如き

愚図ついた夢の匂いと

純な欲望の風が交差する　8月末

ゆらりゆらり飛んで　舞い落ちる夢が

はるか遠い記憶を引き連れ

見上げればいつもと変わらぬ月が

都会の夜に浮かんでいるだけ

都会の夜を見下ろしているだけ