Lyric

雨の中進んでく山道

落石注意　熊出没注意

昨日からずっと晴れない気持ち

映したように霧が巻く周囲

歩幅に合わない木の階段

道からそれて佇む東屋

脈絡もなく現れる鐘

音は霧に吸い込まれていった

山頂近く広い平原

晴れていれば見えたはずの

山々は霧の中

霧の中の白樺　露に濡れた花々

これはこれで絵になると

眺めながら先へ進む

小高い丘のような

目指してきた頂

振り返って見下ろせば

強い風で霧が晴れた

向かいの山から湧き出る雲

強い風に流されてゆく

雲は途切れることがないのに

晴れた日のように光が差した

帰りはまっすぐに伸びる道

横には整然と並ぶヒノキ

一つだけ離れて立つ巨木

いつからそこにいたのだろうか

レンズの向こう写してみれば

また違う彩りを見せる

景色がそこにいた

霧の中の林と少し滑る足元

慎重に踏みしめ進む

階段のない下り坂

登山口が見えてきた

遠くで鳴くキツツキ

少しの疲れとともに

いつの間にか心晴れた

霧の中の白樺

露に濡れた花々

いくつも写真を撮って

思い出のフォルダにしまう

ゆっくり周り見ながら

歩いてきた道のり

振り返って見上げれば

いつの間にか心晴れた