

煌々と輝いていた鈍色の満月を穿った
魔法のような風が流れていた
ト書きの温度は冷たくて
見て見ぬようにフッと誤魔化した
指でなぞる台詞の無い物語
燦然と輝いていた
絵空事の書き筋が止まった
時雨るように
枠をはみ出した
赤字で直された未来は
誰かのト書きで埋まっていた
途方に暮れて息の詰まる夜だ
吸い込んだ肺の空気を
使い切る様にゆっくり俯いた
誰も受け止めなかった涙が
水面に落ちるリズムで世界が
滲んでいくなら手を引くよ
シナリオを書き換えて
正義にルビを振れ
残光にゆっくりと照らされて
感情が溢れた
吐いた息でごまかした
体温のない言葉の羅列に
まだ溺れないように
永遠に続くような際限のない夜空を奪った
手繰り寄せて指先で転がした
ゲラ刷りしてみた人生は
自分の台詞だけ歪んでいて
ささくれのような浅い傷で顰めていた
染み付いたインクの匂い
憶えていて
太陽のぎらぎらした灯を借りて
きらきらした月を見る
まるで自分だなんてさめざめしいな
独りで泣けば痛みは隠せてしまうから
とっておきの言葉で終わりにしないで
シナリオを書き殴れ
自分の台詞で
残光にはっきりと照らされて
感情が溢れた
下書きのない人生が
いつの日か愛おしくなるような
物語になりますように
この祈りにも似てる絵空事だって
書き綴るたびに色濃くなる
誰かが描いた未来に刃向かえ
いつもどおりを忘れないまま
煌々と輝いていた鈍色の水面が揺らいだ
句読点で閉じた物語は淡く
きっとずっと続くように信じた
- Lyricist
Takuya Kumagai
- Composer
Tomoare Higashiyama
- Mastering Engineer
Shunsuke Miyazawa
- Vocals
cowolo

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Tsukunomi
cowolo
Artist Profile
cowolo
6人が綴る、神話にも似た創造譚「cowolo(こをろ)」
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