「さよなら」だけが残ってしまってた。
緑青みたいに染まる心が
未だ晴れないまま、
青く滲むスクリーンの中。
どこまでも続く気がしてた。
夏の雨の匂いみたいな声が
鬱陶しくってさ。
君の色をただ、鈍色に
塗った絵の具が孕む涙。
伝った頬さえ照り返すのに、
いつまで目を逸らすんだろう
僕はさ……。
君が、きみが陽炎に溶けていく。
時間が止まるような眩暈の中、
切り取って笑う。魔法が解けていく。
君に、触れられないままで。
降り出した雨も止むように、
夏だっていつか終わるように…って、
「あぁ…わかってたはずでしょう?」
君がくれた、名前のない感情がいま
この夏に溶けていく。
隣り合って真似た呼吸とか、
ふたつあって刻む鼓動とか、
未だ鮮明な僕を
君は笑ってくれるかな。
風が吹いて靡く髪から
不意に覗く、アイオライトのピアス。
片方が見当たらなくて
「君の知らない僕」になりたくはないのに。
燦々、照らして写し出した影模様も、
散々、濡らし去って遠のいた雨模様も
君がいるから。
君がいたから、
変わらず歩いたのに。
君のその手は届かないまま。
割れたレンズ向けた夏の影に、
香った想い出が重なり合うなら
痛くたって構わないから。
そのシャッターを切ってほら、
「君が、きみが陽炎に溶けていく。
時間が止まるような眩暈の中、
君と、暮れる斜陽に
焦げてしまう前に……。」
君が、きみが想い出に溶けていく。
終わってしまわないで。少しだけ
叶うのなら、ふたり影が伸びる日々を
忘れたくないの!
降り出した雨も止むように、
夏だっていつか終わるように…って、
「あぁ…わかってたはずでしょう?」
君がくれた、名前のない感情がいま
あの夏に溶けていく。
- Lyricist
riku
- Composer
riku
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Meltting (feat. GUMI)
riku